ニュース・ハイライト
業界をリードする Micron G9 NAND データセンター SSD の最新、かつ包括的な製品ポートフォリオに、業界初となる第 9 世代 3D NAND ノードを採用
Micron 9650 SSD:世界初の PCIe® Gen6 対応データセンター SSD 製品。競合ドライブと比較して 2 倍のパフォーマンスを実現*1
Micron 6600 ION SSD:業界初となる第 9 世代 NAND を採用した、世界初の E3.S 122TB データセンター SSD 製品。ストレージ密度を最大 67% 向上。今後投入予定の 245TB ドライブは、単一ドライブとして市場最高の容量を実現する見込み
Micron 7600 SSD:メインストリームのデータセンター・ワークロードに卓越した PCIe® Gen5 パフォーマンス、サービス品質(QoS)、電力効率を提供
2025年7月29日、米国アイダホ州ボイシ — Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)は、AI を稼働させるデータセンターに求められるデータニーズに向けて、卓越したパフォーマンス、容量、電力効率を実現する、革新的なメモリとストレージのソリューションを開発しています。本日、ストレージ分野での業界リーダーシップをさらに拡大する、3 つの新しいデータセンター向け SSD を発表しました。すべて Micron G9 NAND を基盤に設計されています。この拡充したストレージ製品ポートフォリオには、世界初の PCIe Gen6 NVMe™ SSD、業界最高レベルの容量を備えた E3.S SSD、AI データセンター向けメインストリームで最も低いレイテンシーを記録した PCIe Gen5 SSD が含まれます*1。これらの新製品は、高いパフォーマンス、電力効率、スペース効率を兼ね備え、主要エコシステム・パートナーによる検証も終えています。認定取得も円滑に行え、シームレスな統合が可能なため、多様化する AI ワークロードに対応する最適なポートフォリオです。
Micron Technology コアデータセンター事業部門シニア VP 兼ゼネラルマネージャー ジェレミー・ワーナー(Jeremy Werner)は、「業界初の PCIe Gen6 対応 SSD、業界最高水準の容量、かつレイテンシーを最低に抑えるメインストリームの SSD — このすべてが市場初となるマイクロンの G9 NAND で実現されました。マイクロンは業界最先端をけん引するだけでなく、データセンターの最前線でイノベーションを再定義しています。今回の発表により、マイクロンはデータセンター SSD におけるリーダーシップを強固にし、顧客にパフォーマンス、密度、効率の新時代の到来を告げます」と述べています。
Micron 9650 SSD:世界初の PCIe Gen6 対応データセンター SSD
Micron 9650 SSD が実現する比類のない 28GB/秒のパフォーマンスは、AI の学習と推論のワークロードを劇的に加速させます。推論実行中の高スループットと超低レイテンシーは、一度に処理できるコンテキスト・ウィンドウを拡大したエンタープライズ・エージェントや検索拡張生成(RAG)パイプラインなど、大規模モデルに必要なリアルタイムでのデータアクセスに不可欠です。Micron 9650 SSD はワットあたりのパフォーマンスが極めて高く、ストレージの電力効率を PCIe Gen5 SSD と比較してランダム書き込みでは最大 25%、ランダム読み取りでは最大 67% 向上させています。電力消費量と炭素排出量の削減により、データセンターではパフォーマンス向上と同時に、サステナビリティー目標の達成も可能になります*2。
PCIe Gen6 の優れたパフォーマンス*3:
最大 28GB/秒のシーケンシャル読み取り速度と 14GB/秒のシーケンシャル書き込み速度
最大 550 万 IOPS のランダム読み取りと 90 万 IOPS のランダム書き込み
暗号モジュールのセキュリティー基準 FIPS 140-3 レベル 2 認証、および貿易協定法(TAA)準拠により、米国政府向けに販売される SSD が米国内または指定された各国内で製造/実質的変換が行われていることを保証
Astera Labs や Broadcom による先行公開デモなど、先駆的なエコシステムとの連携を通じ、実証済みの相互運用性により導入を促進
最先端の AI サーバー搭載用に液冷対応の E1.S 版を提供
Dell Technologies、インフラストラクチャー・ソリューション事業部(ISG)コンピュート&ネットワーキング担当シニア VP、アランクマール・ナラヤナン(Arunkumar Narayanan)氏は「最大550万 IOPS のランダム読み取りパフォーマンスを実現する Micron 9650 SSD は、AI パイプラインの高スループットと低レイテンシー要件に特化して設計されています。この製品により、GPUへ確実にデータを供給し続けることができ、アイドル時間を最小限に抑えて、システム効率を最大化できます。Dell の先端サーバーアーキテクチャーと組み合わせることでイノベーションが実現し、多くの企業がパフォーマンスをこれまでにないレベルへと解放し、インサイトを引き出せるはずです」 と述べています。
NVIDIA、ネットワーキング担当シニア VP、ケビン・ダイアリング(Kevin Deierling)氏は「高度な AI 推論ワークロードの処理には、エージェントが社内からインターネットにわたり大容量データを処理できるようにする高速なアクセスが不可欠です。Micron 9650 など、PCIe Gen6 対応 SSD が高速なデータアクセスを可能にし、AI の推論と学習に必要なコンピューティング処理の加速と効率化を支えます」と述べています。
Micron 6600 ION SSD:AI データレイクに必要な大容量密度とクラス最高のスペース効率を両立
革新的な拡張性を実現する Micron 6600 ION SSD は、1 台のドライブに最大 245TB の容量を備え、ストレージ・フットプリントを縮小し、電力消費と炭素排出量を削減しながら、ハイパースケールやエンタープライズ規模のデータセンターでサーバーインフラの集約と大規模な AI データレイクの構築を可能にします。競合製品と比較して最大 67% 高いストレージ密度を実現するこの SSD 製品は、複数サーバーを搭載したラックあたりの容量で 88PB 超を実現できるため*4、総保有コスト(TCO)を大幅に削減します。
業界初の 122TB E3.S SSD は、トランプ1組大のサイズで、1U サーバーに驚異の 2.4PB 容量 PCIe Gen5 フラッシュストレージを提供
122TB の Micron 6600 ION SSD は、4.9TB あたりの消費電力がわずか 1 ワット。同等容量に相当する 3 台の 36TB HDD と比較して、電力効率は 37% 高く、スペースは 4 分の 1 未満
2 エクサバイトのストレージ実装として、HDD と比較して 1 日に最大 3.4 メガワット時の省エネが可能。これは米国の平均的な家庭 124 世帯が1日に消費する電力に相当*5
エンタープライズグレードの高度なセキュリティー機能をサポートし、データ保護の最高水準を実現
Micron 7600 SSD:AI の推論と混合ワークロードに求められる最高水準のパフォーマンスを実現
Micron 7600 PCIe Gen5 SSD は、クラス最高のパフォーマンス*6 、低レイテンシー、信頼性の高い QoS を実現し、急速に進化する AI の学習や推論など、要件の厳しいデータセンターのワークロードで、予測可能な超高速の応答性を確保します。高負荷の RocksDB ワークロードで業界最高水準の 1 ミリ秒未満レイテンシーを実現する Micron 7600 SSD は、応答性が重視されるワークロードに最適なソリューションです。また、手頃なコスト、パフォーマンス、安定した予測可能なレイテンシーのバランスもよく、AI を含め、データセンターの大半のワークロードに対応できます。
クラス最高のシーケンシャル読み取り速度 12GB/秒を実現し、競合のメインストリーム SSD 製品を凌駕。最大パフォーマンスは下記の通り。
シーケンシャル書き込み 27% 向上(7GB/秒)
ランダム読み取り 5% 向上(210万IOPS)
ランダム書き込み 100% 向上(40万IOPS)
優れた RocksDB ワークロード性能と電力効率。競合 PCIe Gen5 SSD との比較は下記の通り*7。
ランダム読み取り | 書き込み中のランダム読み取り | |
最大パフォーマンス | 最大 21% 向上 | 最大 23% 向上 |
99 パーセンタイル レイテンシー | 最大 59% 低減 | 最大 76% 低減 |
電力効率 | 最大 78% 向上 | 最大 79% 向上 |
CoreWeave 最高製品責任者、チェタン・カプール(Chetan Kapoor)氏は「CoreWeave では、パフォーマンスの限界を超え、顧客のインフラ効率を最大化しようと、徹底的な注力を続けています。強力なパフォーマンスと低レイテンシーを特長とする Micron 7600 SSD は、当社の顧客が数百ギガバイトのデータスループットにスケールアウトし、市場投入時間を短縮する上でも、歓迎するべき新製品です」 と述べています。
いずれの SSD 製品も、マイクロンが推進する垂直統合型の開発プロセスにより、独自のコントローラー、NAND、DRAM、ファームウェアまで一貫して設計・製造されています。この統合により、卓越した品質とより信頼性の高い安全なサプライチェーンを提供することができます。さらに、ハードウェアの信頼の基点、SPDM 1.2 準拠のID認証とファームウェア検証、CNSA 2.0 二重署名PKI/LMSファームウェアバイナリ、自己暗号化ドライブ(SED)、マイクロン独自のセキュアな実行環境*8を含めた主要なセキュリティー機能が、データの安全性を強化します。Micron 9650 SSD と Micron 6600 ION SSD は OCP 2.6 仕様をサポートし、Micron 7600 SSD は OCP 2.5 仕様をサポートしています*9。
製品提供
現在、Micron 9650 SSD と Micron 7600 SSD のサンプル版は、顧客への出荷が開始されています。Micron 9650 SSD は、E3.S と E1.S の 9.5mm/15mm フォームファクターで、空冷と液冷のオプションを用意。Micron 7600 SSD は、E3.S、U.2、E1.S の多様なフォームファクターで展開され、空冷ヒートシンクのオプションも選択できます。122TB 容量の Micron 6600 ION SSD サンプル版は、2025 年度第 3 四半期後半に、E3.S と U.2 の各フォームファクターで出荷開始となる予定です。Micron 6600 ION SSD の 245TB バージョンは、2026 年度前半の提供開始が予定されています。
マイクロン ジェレミー・ワーナーが「Future of Memory and Storage Summit 2025」にて、8 月 5 日午後 1 時(米国太平洋標準時)から基調講演を行います。このイベント開催中の 8 月 5 日~7 日にかけて、マイクロンのブース(#107)では、データセンター向けメモリとストレージ製品の幅広いポートフォリオの重要性を強調し、Micron 9650 SSD、Micron 6600 ION SSD、Micron 7600 SSD に加え、Micron HBM4、SOCAMM、LPDDR5メモリを展示する予定です。
業界各社からのコメント
AMD、データセンターエコシステム&ソリューション担当コーポレート VP、ラグー・ナンビア(Raghu Nambiar)氏は「加速するAIワークロードによりインフラ要件が再定義され続ける中、マイクロンの最先端ストレージ技術は、高速で効率的なストレージの重要性を明確に示しています。マイクロンとの緊密な共同エンジニアリングを通じたこのストレージイノベーションは、AMD が提供する次世代サーバープラットフォームの可能性を最大限に引き出す、確固とした地位を築きました。両社ともに、パフォーマンス、スケーラビリティー、効率性を実現し、要件の極めて厳しい最新のエンタープライズ向けアプリケーションを支えています」 と述べています。
Astera Labs、最高ビジネス責任者、タッド・オムラ(Thad Omura)氏は「AIが急速に進化したことにより、拡大を続ける最先端モデルからエージェント型システムまで、データ転送の革新的な加速が求められています。ラックスケールのコンピューティング処理性能を最大限に活用するには、スループット向上だけでなく、全体的なシステム効率とワットあたりのパフォーマンスを引き上げる必要があり、AI の革新を加速するうえでも、次世代の PCI Express が不可欠です。デモで実証したとおり、Micron 9650 SSD に当社のファブリックスイッチ "Scorpio P シリーズ" と Aries Smart PCIe Gen6 リタイマーを接続したエンドツーエンドの PCIe 6 相互運用性は、広帯域幅と低レイテンシーを実現するカギであり、AI の大規模展開に欠かせません」 と述べています。
Marvell シニア VP 兼コネクティビティー事業部ゼネラルマネージャー、シー・ワン(Xi Wang)氏は「最新の Micron 9650 SSD と Marvell® Alaska P PCIe Gen6 リタイマーの相互運用性をテストした結果、PCIe Gen6 エコシステムを推進する上で重要なマイルストーンとなり、ハイパースケールの顧客向けの共同開発努力の取り組みを裏付ける、重要な成果を得ました。高性能で電力効率の高い SSD と、PCIe リタイマーの安定したリンク延長機能を組み合わせることで、演算処理とストレージ間の物理的な障壁を解消し、顧客は幅広い AI ワークロードに最適化できる柔軟性を得ることができます」 と述べています。
参考資料
• マイクロンが出展する FMSイベントのウェブページ
• Micron 6600 ION SSD 製品画像ギャラリー
• マイクロンのデータセンター向けストレージ製品ウェブページ
• Micron 6600 ION SSD 製品ウェブページ
*1: 発表時点で、Micron 9650 PCIe Gen6 対応 SSD と同等以上のパフォーマンスを実現できる PCIe Gen6 対応の競合 SSD 製品は市場に提供されていません。Micron 9650 SSD は、前世代の Micron 9550 SSD と比較して、2 倍のシーケンシャル読み取りパフォーマンスを実現。さらに、Micron 6600 ION は、現時点で利用可能な最大容量のソリューションを 1 ラックで提供(マイクロンの E3.S ドライブを使用した比較):1U あたり 20 SSD x36 サーバー(36U)x122TB=88.5PB に対し、同等の競合 U.2 フォームファクター SSD 製品では 2U あたり 24 SSD x18 サーバー(36U)x122TB=53PB となり、各ラックに他の装置を実装できる 6U 分の余剰スペースを確保。Micron 7600 SSD は、マイクロン社内ラボで実施した競合製品との比較テストにおいて最も低いレイテンシーを示し、市場で提供されているドライブ製品を対象とした RocksDB ベンチマークの結果、キュー深度(QD)128 まで 1ms 未満の最も低いレイテンシーを達成
*2: Micron 9650 SSD は、マイクロンの前世代ドライブ製品 Micron 9550 SSD と比較して、同等の 25W に維持したままシーケンシャル読み取りで 2 倍の電力効率を実現
*3: Micron 9650 SSD の詳細については、製品概要を参照してください。
*4: 主要 OEM が採用している E3.S と U.2 の各フォームファクターを使用し、20 スロットの E3.S ベース 1U SSD プラットフォームと 24 スロットの U.2 ベース 2U SSD プラットフォームを比較
*5: 122TB 容量の Micron 6600 ION SSD はピーク電力 25W で動作、3 台の 36TB HDD はピーク電力 10W で動作。節電量は、ピーク電力で動作するドライブの消費電力量の差として算出。比較対象の HDD は、36TB Seagate Exos Mozaic 3+ HDD。出典:Seagate Mozaic プラットフォーム。一般家庭の平均電力使用量は、米国エネルギー情報局(EIA)が公開している年間平均 10,500 キロワット時(kWh)の電力消費量を、世帯あたり 1 日 28.8kWh に換算して算出
*6: Micron 7600 SSD と、2025 年 5 月時点で売上高上位 5 社の競合 OEM が提供する現在製造中の市販データセンター向けメインストリーム PCIe Gen5 SSD 製品を比較した結果。Forward Insights のアナリストレポート「SSD Supplier Status Q1/25」に基づく
*7: マイクロン社内ラボで実施した、2025 年 5 月時点で売上高上位 5 社の競合 OEM が提供する現在製造中の市販データセンター向け大容量 PCIe Gen5 SSD 製品の比較テスト。Forward Insights のアナリストレポート「SSD Supplier Status Q1/25」に基づく
*8: あらゆる条件下で絶対的なセキュリティーを提供できるハードウェア、ソフトウェア、システムはありません。マイクロンは、記載したセキュリティー機能のいずれかを組み込んだ製品を含め、いかなるマイクロン製品の使用から生じるデータの損失、盗難、破損についても一切責任を負いません。
*9: Micron 9650 SSD および Micron 6600 ION データセンター SSD は、Open Compute Project データセンター NVMe SSD 仕様 2.6 のほとんどの要件(すべてではない)に準拠
Micron Technology, Inc. について
マイクロンは、情報活用のあり方を変革し、すべての人々の生活を豊かにするために、革新的なメモリおよびストレージソリューションを提供するリーディングカンパニーです。顧客第一主義を貫き、テクノロジーの最前線でリーダーシップを発揮し続け、洗練された製造技術と事業運営を妥協なく追求するマイクロンの製品ポートフォリオは、DRAM、NAND、NOR の各種メモリからストレージ製品まで多岐にわたり、Micron® または Crucial® のブランドを冠した高性能な製品を多数展開しています。マイクロンで生まれた数々のイノベーションは、データの活用を加速すると同時に、人工知能や計算集約型アプリケーションといった最先端分野の進歩の基盤として、データセンターからインテリジェントエッジ、さらにはクライアントコンピューターとモバイルをまたいだユーザーエクスペリエンスまで、さまざまな事業機会を新たに生み出し続けています。Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)に関する詳細は、micron.com をご覧ください。
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